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○「年末に京都行く余裕あるなら、こっちきてコミケ行けばいいのに」と姉に指摘され、コナンばりに右の耳から左の耳に電流が抜けていった。どうしてその発想がなかったんだろう。
これはあれだな、「コミケに行ったことがないのが自慢かな」とかそういう方面に伸びていくしかないんじゃなかろうか。あとは「ぼくオタクじゃないです。コミケ行ったことないんで」とかの活用もできそう。(京アニ巡礼のために住所を調べながら) ○サーファーズパラダイス SisterPrincess(シスプリ) メモ。存外こういうところから何かがひっぱってこれたりするものなのだ。 # by sakuragi_takashi | 2010-12-28 22:33
○消失マラソンしてたら一日が終わっていた。あと昨日読んだ傾物語があんまりおもしろくなかった。正直シリーズとしては迷走ではないかと思いつつ、「怪異がありなんだから時間移動もあり」と言われればそれまでで、とはいえなんだかなあではある。
○ヨスガノソラがしすぷら~に残したものは、「実妹とセックスしてもいい」というメッセージである。(よくなかったじゃねえか ○年末は京都へ。ふらふらしてきます。 # by sakuragi_takashi | 2010-12-26 19:32
○のそっと動こうと思うにあたり、ブログ引っ越したい気分が発病中。うわ、すげえ、教務に添削されずに文章書くのって恐ろしい解放感とともに不安感!
しばらくほっといた間に、エキサイトがえろうつかいづらくなってたり機能が増えてたりもあって、引っ越したい気分が増量。嗜好錯誤ってえっなにそれみたいな。どくしょにっきは犠牲になったのだ……大2病の犠牲にな……みたいな。 あっちゃこっちゃ使ってみた感じ、UIが一番いいのははてなかなあ。更新が簡単。普段はじゃヴぁscりptを切って巡回してるのだけれど、じゃヴぁscりptをONにすれば同じ画面のまま更新できるのがひじょうによい。 このBallon d'orも大学時代にかなりスキンを楽しくいじって自分の納得いくところまで手を入れたから、名残り惜しいっちゃ名残り惜しいんですが、誰からも忘れ去られたころにどかっと夜逃げしちゃうのもよさそう。気分一新してシスプるのもありでしょう。わりと本気で移転考案中... # by sakuragi_takashi | 2010-12-22 22:39
なんか初めて早く帰ってこられたので、どれブロ……ブ……なんとか……を更新しようと思ったけどいつの間にかこんな時間になってたので明日の指導案書く。(お前はなんのために出てきたんだ)
# by sakuragi_takashi | 2010-06-10 20:38
◯トキ襲った動物は「テン」
「私だ」 「お前だったのか」 「暇を持て余した」 「神々n ◯モンスターエンジンごっこのフォローはさて置いて、しょよーおわり。なんだかんだでこっちにいるあいだそんな更新しなかった。明日可憐との愛の巣に戻れば、それから二週間が最期のひとりぐらし。うおおおおお、……うおおおおおおお とはいえ、ことほどさよーに嘆かずとも、教職は基本的に3年周期でガンガン配置換えが行われるので、実家にいる必要があるのもその期間だけだと割り切って明日への希望を語ろうではないか。なんだかんだで今月はやたらと予定が詰まっているので、そんな時に部屋探しをする手間が省けてラッキー、くらいに思っておこう。 # by sakuragi_takashi | 2010-03-11 21:26
◯あ、ぇあ、ぉおぉっわぃうっ! じぇへぇあっ
あー。 あー♪ んっんー。ζ*'ヮ')ζ<うっうー♪ うっ、ゲホッゴホッ>ζ('ヮ'*ζ あーあー。よし。 というわけで、「長期の休みでしばらく人としゃべらないでいるとまともな声が出なくなるよね」とわかる人にしかわからないアレを半死半生ブログに当てはめて華麗に参上。そしてさらば。(シュタッ いや、さすがにこれはだめだ。 さて、 あまりに話題が思い浮かばないので風呂入ってきました。やばい、またリハビリから始めなければならないというのか。考えなしにフォームに文字を入力し始めたのがそもそもの間違いだ。でも今日でひと区切りついて実家で暇だからつい出来心で。それにしてもすごい、ナチュラルに2月がすっとんどる。 ええと、つい先ごろ、このブログ古い記事を読み返す機会があったのと、今こうして久しぶりということで、主にトップページの文章をですが、ゆっくり眺めてみて思ったのですが、やっぱり自分が書いたものはおもしろいなあと。特にクリスマス更新の物書きがいい。ブログの話とか白雪考とかも、「いかに伝えるか」という感覚は書いても読み返しても楽しいんですよ。でも私が得意で好きなのはやっぱりこっちだわー。充填されづらいわ需要的にはマイナスだわでも、こっちですわ。 話題探しに可憐のふぁぼられを中心についったのログをみてみる。何かブログで蛇足を付けることができそうなもの。あ、これはちょっと今書いたこととつながってるなと思ったのが、「桜木の場合、説明文で書くより小説で書いたほうが俺得」ってあたりですかね。「shining★star」ってめちゃめちゃいい曲ですよね。 ◯こんごのこうしんよてい ・周りにPS3デビューをキめる人が増えてきたので、ゲームメーターをもとに持ってるPS3のソフトを再発見しよう ・ひょうちゅうばくはつしろ(4巻の前に3巻の読書メモもまとめようキャンペーン付属 ・俺妹の感想もなんかこっちか書くなら ・そういえば白雪考は ・ということは亞里亞考もまだじゃねーか! ・ゲームレビューとか誰が続き書くんだ ・私か…… ・いや、私がふつうにゲームやって、横に可憐に見てもらってtwitterで実況してもらうかそうだそれがいい ・でもコンテンツとして完成させるべきだよね…… ・このブログはそんなでもないけどネットに上げてるもの大幅リニューアル ・そういえばデビュー10周年を記念した天広直人展が少し前に開かれましたが、限定グッズを誰かぼくのために余分に買っていることと思いますので早めに届けてくらさい(;ω;) ・羅列も楽だ(文章構成の放棄) ◯残りのひだまり消化したら寝よう。将来の夢はひだまり荘の排水口を掃除する仕事に就くことです。 そういえば、アニメは特定の作品を除けば、基本的にはほんとに気楽になーんも考えずに娯楽としてみる位置付けにして、そういうスタンスでいこうと自覚していたのですが、知らないうちにそうでもなくなってきた。いや、例えば、本に関してはほっといても何か考えちゃうんですよ。読書ってペースを自分で配分できるから、手を止めて思考を働かせちゃうんです。でも、アニメは見せる側のペースで進んでいきますから、それがしにくいのではないか、みたいなうさんくさいことを理由にして納得してたんですが、なんかこう、わき出る。やっぱ楽しいですね。しまった、先にオチ(排水口のことですか)を言ってしまったからしまりがわr # by sakuragi_takashi | 2010-03-10 02:06
# by sakuragi_takashi | 2010-01-08 23:52
〇なんで例年大晦日に一年総決算更新してるんだろうと思ったら、この時間が微妙に空くからなのかw
家族と少しだけ増えた親戚が家に来て、往路や今年あったことをとりとめもなく話す。旧い炉と新しいヒータが暖める、家で一番おおきな部屋にあちこちからテーブルを動かして、それぞれが持ち寄ったアルコールと桜木家の味を肴に、今年のつつがなさと来年の変わらなさを願う。紅白が半ばに差しかかって、年配チームがこたつにもぐるのを合図に、少しの休憩。お酒は最高潮(笑)。そそくさと奈々ちゃんをひとり見てきた私がそっと戻ってきて、そろそろ始まる片付け。あらかた飲み食いの跡をさらったあと、それぞれにばらける。おもに配偶者単位。 それが、この時間。このパタンが毎年慣例のようになっていて、この時間、年が変わる数時間をつぶそうと、私はブログに向かうわけかあ。なるほど。 〇そんなわけで今年もブログを元手に2009年を振り返ろうとしたら、ブログの過去ログがない(笑。なんてこったい。ないというのは正確ではありませんが、12箇月中半分もないんじゃないの。で、あるほうの月を見てみても、ほとんど数回のみですね。ひどい月だと一回しか更新してない。こういう一年か! うーんそうですね、そうなると、ブログの、というより、私自身の総括でないとこの項を埋めることすらできないわけですか。言い換えれば、「この一年で、私は何が変わったの?」だと思う。これは桜木のケイチョウが問われますな! にげたい! でもまあ、それなら書けるトピックスとしては二つかな。 〇桜木、自分の頭で考えるの巻 ある物事に相対した時に、ようやく自分の頭で考えられるようになった。話を聞きながら、あるいは問題を提示されている時に、自分の意見を持とうとしながら、そしてその意見をどのように相手に伝えるか、を考えるようになったと思う。 でもたぶん、まだまだだ。だって去年も同じことを考えていたから。きっと今の「オレはわかってる」を、来年の私はまた「わかってなかった」と振り返るのだと思う。けれど、自分を内省的に見ることができなくなれば、あとはだめになっていくだけだ。ことに、来年からはいよいよ社会じうわああああああ働きたくないでござる働きたくないでござるわけであるからして。 私の考える力というのは、まだまだだ。でも、まわりの方々と比較しても(ほんとにすごい人ばかりでなんかもう、なんか)落ち込むばかりなので、それまでの自分を指差して「おれすごくなった!」とか言うしかない。うわなにこのだめなひと。 まわりと折り合いを付けながら、最善の手段を考え模索し続ける中で、少しずつ前に進んでいきたい。 〇時間の使い方について これなー。これをうまいことやっていくのは、来年のテーマにもなりますねえ。 ブログを更新していないというのは、要するにその時々の私が、「今は時間がないからブログ書けない」と思っていたからなのでしょうが、それ、嘘でしょ。ここは厳しく糾弾しなければならないなあ。 来年からはもっと時間がなくなっていくし、つーか今は大学生だ、一番時間を自由に使える時だ。 もちろん本当に切羽詰まっている時はあったし、追いかけられ、追い詰められていた時もあったと思うけれど。 それでもちょっと、甘いと思う。時間の使い方に無駄が多すぎる。その時そのとき楽なほうに楽しいほうに流れてばかりだったんじゃない? ほら、やっぱりそういう時は自分の意思で選択してないでしょ。 読みたい本がたくさんあるし、やりたいゲームはまだまだあるし、見たいアニメも映画もいくらでもあるし、それらは常に増え続ける。もちろんもっと時間を費やす書きたいこと描きたいことつくりたいもの、ほんとうにやりたいことがあるのだから、もっと真剣にならなくちゃいけない。 ただその一方で、自分への甘さというものも、残してあげたいと思うのもたしか。 だから、考えろ。その時その時を、精一杯生きるべき。 〇シスプリ はいはいシスプリシスプリ、そんなこんなで今年も一時間を切りました、切ってます。 前述したように当ブログが著しく存在感を消している間に本当に存在が薄れていたためか、今のところユニークアクセスはおよそ20ほど。これにフィード読者やサイレントマジョリティを考慮して(キリッ、だいたい30人ほどの方が読者さんってことになるのかなあ。 ただ、あれだけほっぽっといてなお、ブログを読んでもらえるのがとてもうれしいし、それだけになんかこう……な! ね! なんだ。しかし、このあたりに由来するのかどうなのか、どうもぞんざいなかんじというか、なんかべらんめえな感じが増してきたような……。 ただまあ、せっかく「可憐とは夏場にひとつのタオルケットにくるまって寝てたいよね昼寝も可」とか「花穂は公式ブラジャーになったことだし放課後先に部活を追えたお兄ちゃまが迎えに来てくれたのに気づいたチア中の花穂がうれしそうに手を振ってくれるその透けたブラ!」とか「遊びまわった午前にかいた汗をいっしょに流そうと家まで帰ってきたが脱衣所で衛が脱いだスパッツを全力で吸い込んでやめてあにぃやめてやめて」とか「咲耶(性的な意味で)」とか「学校で友達といさかいがあって家に帰ってきても明日になるまでそのもやもやを抱え続けるほかないけどそれを口に出せなくてつらい雛子を抱きしめたいじゃないか!(白目)」とか「いいじゃんもう病弱とかやめてさあヒロインに問題を被せてマイナス地点から始めれば物語が紡ぎやすいとか安直なんだよ俺は鞠絵と博物館デートしてるぞ今年は3回も! さすがに3回目は鞠絵も飽き飽きでござるの巻」とか「白雪! 白雪! 白雪! 白雪! 白雪! 白雪! 白雪! 白雪! 白雪! 白雪! 白雪! 白雪! 白雪! 白雪! 白雪! 白雪! 白雪! 白雪! 白雪!(コピペなしの手打ち、一白雪ごとに一食をともにする白雪を想像しながら白雪! 白雪! 白雪! 白雪!)」とか「鈴凛っていい名前だよな・なによ突然・リンって響きがリンらしくてさ・ありがとアニキの名前も好きよ・いやぼくあまり自分の名前好きじゃないんだよね・じゃあアニキやめて名前で呼んであげよっか・かんべん・愛する妹に呼ばれたら好きにもなってくるんじゃない・リン……→セクロス最後はともかく現実的な妹像って対等な関係も生めそうだよねなテスト」とか「ティカゲ」とか「かえって春歌には尽くされすぎているのでぼくらにできることはなんだろうと考えたときにいやそんなギヴアンドテイクを考える必要はないよなと思い直すことで昨日の騎乗位を今日もおかわり三杯」とか「四葉はチェキチェキと兄チャマをチェキするのに忙しいけれどたまにはその手をとって隣にならび兄チャマをチェキするんじゃなく兄チャマと同じ目線に立ってチェキするのもいいじゃないかああああ四葉と冬服厚着手袋手つなぎデートしてえええええ」とか「亞里亞調教」とかにおよそ20人強の方には全面的に賛同いただけているということで(がっしとあなたの肩に腕を回しながら)、ああそういうことなら私のシスプリもまだまだとどまることを知らんな、といつもどおりの、変わっていくことと変わらないもののわるくなさをかみ締めるように、しめくくりをして。 2010年もぼくらと妹に幸多からんことを。可憐大好き。可憐はおれのいもうと。 # by sakuragi_takashi | 2009-12-31 23:53
◯明日から帰省します。ほんとは卒論に火が付いててそれどこじゃない……。どうして本籍地の本人発行しかできないんだ……。結局大学のうちにコミケ参加することはなかったなあ。
◯スキンを元に戻しがてら、新しいブログテーマをいくつか見てみると、よい感じのもちらほらありますねえ。ちょっと目移りするけれど。サイトとかブログとか、猫の目みたいにあまりころころデザインを変えるとこってないですね。最初に選んで選んで決めたものだから愛着があるのかなあ。 # by sakuragi_takashi | 2009-12-29 19:12
久しぶりのキスは、はじめてのキスだった。 んー、んー……一度合わせた唇を少し離してから、二回、三回と縦に合わせ、横に角度を変えて、何度か口を吸い直してみる。年ごろの男の子にしては妙に色っぽく、艶やかな風味のする唇をもう一度舌で舐めとってから思うに、 (キス、気持ちいい) これはちょっとやばいいくらでもいけるどうしよう咲耶ちゃんごめん、正直すっごい気持ちいいです。も、もういっかい。自分のものではないようにじんじんする口にあてていた左手を、もう一度お兄ちゃんの顔の脇に付けたところで枕がしずんで「ん」と標的の表情が動くものだから慌てて両手を胸に引き寄せる。大丈夫、眠りは深い。今度は慎重に枕を避けたところに両手をつき、お兄ちゃんに覆いかぶさっていく。 唇の先同士が触れただけで、体のどこを通ったのか、胸の芯までものすごい快感が走る。自分の頬が上気してくるのがわかった。スイッチが入るともう止まらなくて、今しがた慌てたこともすっかり忘れて、むさぼるようにお兄ちゃんの唇を求めはじめる。何度も何度も小さな音を立てながら口に吸い付く。 たっぷり数分そうしていると、お兄ちゃんと触れ合う部分が唇だけなのがなんだかとてももどかしくなってきて、抱きしめるように上半身を重ねてしまう。両腕で胴体を挟むように、押し付ける先よりは柔らかい胸をぎゅっと密着させながらお兄ちゃんのにおいを胸いっぱいに吸い込んで、それからゆっくり吐いた息といっしょに全身から力が抜けていく。一度の深い吸い吐きのあとは思い出したように体が酸素を欲して、そしてそれ意外の要素も手伝って荒い周期で呼吸を繰り返す。お兄ちゃんとの間で、ふたり分の汗が混じる。体をいったん離すべきなのはわかるけれど、こんな愛しい体から今距離を置くことなんて到底無理だった。起きちゃうかなでも起きてもいいかなといよいよ自分でも頭が回らなくなってきているのがわかっていてもやめられない。あごから首すじにもう一度……じゃ、足りない……もう一往復……唇を這わせてから、ようやくこんなに好き勝手したのはさすがに小さい頃でもないなあと文字にできる思考ができた。 † † † 秋口のおわりに差しかかったころ、一度は引いた気温が戻ってきた週のあたま。強く夏のにおいが残る平日の昼をだいぶ過ぎたころ、なかなか進まない課題をひとまず休めて気分転換、自分の部屋から出て、階段を下りる。 七段下りると、踊り場だ。体の向きをくるりと変えて、もう七段。 びっくりした。ひっ、と引きつるように吸った息が吐こうとしていた息とぶつかる。目に入ってきたのは、階段を下りてすぐの玄関、上がりかまちに腰かけて、仰向けに倒れこむようにしている人影だった。でも、すぐに気づく。すぐに気づけることが、ちょっと誇らしく思える、人影。 「お兄ちゃん!」 傍らに小さなバッグを投げ出したままだらしなく玄関先に寝そべって、力尽きたふうに「しばらくいるよ」と何を聞いてもいないのに自分勝手なことを話し出す兄の声は――懐かしくも優しく、耳に届いた。 足早に駆け下り、最後の二段をちょっとはしたなく飛び降りると、 「ほんとにお兄ちゃんだ」 「良かったね、ぼくで」 それからようやく気づいたように「あれ、可憐、なんで家にいるの」と首だけ振り向きながら「おかげで家に入れたけど」しれっと続ける不法侵入者に答える。 「今、インフルエンザが流行ってて」 「学級閉鎖?」 「うん。先週の終わりにはクラスの三分の一が休んじゃってて、残った半分もマスクをつけてるくらいなの。授業中も咳の音が止まなくて、先生方もちょっと嫌そうなお顔をしてました」 眉の間にしわを寄せるお兄ちゃん。あまりしない表情だ。 「そんなにひどいんだ。可憐は? 大丈夫?」 「はい。すこし前にママに連れられて、花穂ちゃんと一緒に予防接種を受けたから」 「あ、鞠絵のとこに行く前か」 と、そこでようやく体を起こす。 「……すこし前って、どのくらい?」 「え? 今月……の、頭くらい……だったかな」 あやふやに口ごもる可憐に、「じゃあ、あぶないじゃん」とお兄ちゃん。 「どういうことですか?」 「ワクチンを打ってから抗体ができるまでには、少し時間がかかるんだよ」 「少しって、どれくらい?」 「早くても二週間くらいだったと思う」 知らなかった。知らず下がった視線の外からふと影が差すと、開いた目の上に温かい感触。温かくて、大きな手。 「ほんとにだいじょぶ?」 兄の手。 「そう言われると、なんだか不安になっちゃうかも」 「笑顔じゃん。めちゃくちゃ」 「だって」 お兄ちゃんが優しくしてくれるから。 そっか。 うん。おかえりなさい、お兄ちゃん。 ただいま。 「何してるの、あなたたち」 「きゃっ」「んあ」 いい感じに距離が縮まったところに帰ってきたのは、片手に近くのディスカウントストアの袋を下げ主婦然とした主婦オーラを身にまとったまるで近所の主婦みたいなママのような女性だった。 「可憐、あなた失礼なこと考えてない?」 「なんで?」 「嫌そうな視線をたっぷりくれたあとに今そっぽ向いたから」 「そんなことないですよ」 さすが親子というべきか。でもママはお仕事をしているので、主婦というわけではない。それよりも、とママは続ける。「めずらしい顔」 「しばらくいるよ」とお兄ちゃんはさっきと同じことを繰り返す。ママはそう、と少し目を伏せて、そういうところ、パパそっくり、と笑うのだった。 † † † 「『これが十月の陽気なら、いっそのこと八月になってもらいたいね、おれは』」 「なあに、それ?」 お兄ちゃんは読んでいた本を振りながら、質問を質問で返す。「可憐の本じゃないの?」 緑の背表紙は、この間借りてきたものだ。 「鞠絵ちゃんに借りてきたんですよ」 「ああ、鞠絵のか。どおりで。サリンジャーなんて、また読む幅広げたんだな」 「それはそうと、なんで可憐の部屋においておいた本をお兄ちゃんが持っているんですか?」 「鞠絵、前はコテコテの恋愛小説ばっかり読んでたんだ。それを小ばかにしてやったら、『じゃあ何かおすすめしてください』って言うから、ぼくの持ってた好きな作家教えたり、二人で図書館デートしたり。気がついたらぼくより幅は広がってるわ男同士で変なことする文庫が棚一つ埋めてるわで」 「……それ、可憐に教えたって言わないでくださいね……」 恋愛小説が好きだってことを知られるだけでも恥ずかしがりそうなのに、この兄はあけすけに。質問には徹底的に答えないし。 「もう十月だってのに、暑いなあ」 「そうですね」 右手で開いた本を団扇がわりに、左手は襟の緩んだTシャツの胸元をぱたぱたと。 その開けた胸元を見て、どきりとする。昨晩の。 「お兄ちゃんは、暑いの、きらいですか?」 「うーん。暑くないにこしたことはないし、寒くないにこしたこともないよね」 「なんですか、それ」 思わず笑ってしまう。じゃあさ、可憐は好きなの、暑いの。好きですよ。へえ、なんで。暑い時期になると、可憐の誕生日がもうすぐになって、お兄ちゃんが優しいから。じゃあ、今みたいに誕生日が過ぎたあとの暑さはどう。うーん……暑いだけならつらいけれど。 ふらりとお兄ちゃんが帰ってきて五日目の夕方。生徒の欠席は学級に留まらず、兄弟、友人、部活動や委員会活動を媒介にして、学年、学校へと瞬く間に閉鎖の範囲は広がり、今週いっぱいは登校の必要がなくなりそうだった。可憐には一向に感染のきざしが現れることはなく、おかげでお兄ちゃんとのゆるやかで優しい日々を過ごしている。傾きかけた日差しはリビングに必要以上の明るさをもたらしていた。夜まで、まだ時間はある。 「好きなんです。夏の、特に夜の空気が。」 「ああ、わかるなあ」 お兄ちゃんはあおぐ両手を止め、栞を挟んで本をテーブルの上に置く。 「昼の強い日差しいっぱいの中遊びまわるのも強い思い出にはなるんだ。でも今はそうそうはしゃがないからな。衛は違うだろうけど」 笑って、置いた本の近くにあったリモコンをなんとなしに取り、テレビの電源を入れる。夕方の短いニュース。隠しきれなかった隈のうっすらと浮いた女子アナウンサの事務的な笑顔に替わって、画面はホオズキを映し出す。 「小さかった頃、夏の夜は怖かったです。家のすぐそこまで近づくほどあふれている、たくさんの生きてるものの物音がずっとやまなくて」 「虫は今のほうが怖がってるんじゃない」 「お兄ちゃんが来てくれて助かってますよ。夏と秋はおうちの中まで千客万来ですから」 ぼくだって虫が好きとか得意ってわけじゃないんだけどな、とぼやくお兄ちゃんは、それから、あ、でも、とテレビに向かったままで言う。 「それも今週までみたいだね」 サマーセーターにプリーツスカートを合わせた、画面映えのする気象予報士が告げる。夏の終わり。 西日が差し込んでいるのは隣室だというのに、じりじりとした熱さに肌が汗ばむ。 息子が家に戻ったからか、一家の長の帰りは一層定まらなくなっていた。夕食は二人で取り、その後も場所を同じくして、どうということもないことを時折話す。夜が更けて、一人が舟を漕ぎ始めると、その間に一人が脱衣所に消える。しばらく経つと寝間着に着替え戻ってきた一人が眠りの深くなり始めたもう一人を揺すり起こす。おやすみと声を掛け合い、目覚めた一人が今度は脱衣所に消え、もう一人も部屋から出て行く。階段をのぼる音だけがわずかに聞こえてきた。 それから数時間。日が替わってしばらくしてから、そっと部屋を抜け出す。それほど気を使う必要はない。 七段下りると、踊り場だ。体の向きを静かに変えて、もう七段。 足音をしのばせ、そっと半開きになった引き戸の前に立つ。少しだけ耳をそばだててから、音を立てないように取っ手に手をかける。コト、と立て付けの歪みに引っかかる。動きを止めて息を呑んで、たっぷり一分はそのまま動けない。ゆるゆると息を吐き出し、今度はすっと十分な間隔に戸が開き切る。その合間に身体をすべり込ませる。 暗がりに慣れた目で居間に目を通すと、誰も使わなくなった長座布団を敷いて、小さなクッションを二つ重ねて枕がわりに、物心付いた時からずっと使っているタオルケットを身体に巻き付けるようにして、お兄ちゃんはすうすう寝息を立てていた。自然に音を吸う畳に助けを借りて、一歩、また一歩、そばへ歩み寄る。 かたわらに立っても見えるのは輪郭だけだ。すっと腰を下ろし顔と顔の距離が縮まると、仰向けになったお兄ちゃんの表情がようやく見て取れる。すこやかな寝顔はそのまま、可憐に対するそっけない知らん顔にも見えた。ゆったりした呼吸に、眠りは深そうだった。 ぺたんとお尻をついて、正座を崩して女の子座り。しばらくお兄ちゃんと呼吸を同期させてから、熱いものにふれるようにおずおずと、投げ出されたお兄ちゃんの右手に自分の左手を重ねる。一瞬どちらの手が温かくてどちらの手が冷たいのかわからなくなって、お兄ちゃんの手のひらを人差し指でそっと撫でるとこちらの体温の高いことがやっとわかる。 囁く。 (ねえ、お兄ちゃん) (やっぱりここは涼しいですね。網戸からいい風が通って) (今朝起こした時は、すこし喉の調子がおかしそうだったけれど) 表情が緩むのがわかった。ほどけた自分の顔は、笑ったようにも見えるし、泣きそうにも見える。 (あのね) (眠れないの) (お部屋からね。お日様の出ている間にこもった熱気が、お部屋からね。ちっとも抜けないの) (何度も何度も寝返りを打って、お布団の冷たいところを探すの。でも、その間にもあっつくなっちゃうんです) (熱さが降ってきて、じわじわと嫌な汗をかくんです) (そうなると、もう、眠気なんてどこかにいっちゃって、いつまでもいつまでもつらいだけなんです) (眠れないの) (眠れないの……) つらいよ、お兄ちゃん。 そうしてまた。夏の夜の空気が、ねばつく夜気が、まどろみのぼやけた意識が、可憐を間違わせる。 音もなく寄せ、重ねた唇は、そんなすべてを否定するように冷たいのだった。 お兄ちゃんが家に帰ってきてから、毎晩、毎晩、こうして部屋にしのび込み、その唇をむさぼっている。それだけでとどまらないことも、ちょっとだけ、する。 清廉ささえ孕んだ涼やかな口唇に、何度犯しても薄れない心地よい罪悪感を浸して、しばらくそのまま唇を重ねつづける。何もかもがそこに吸い込まれていくようだった。 熱帯夜のどうしようもなさと、もうろうとした感覚に身を投げ出して、お兄ちゃんからたくさん奪って、自分ひとりが気持ちよさにつかって、つかった気持ちよさに水びたしになって、いろんなものがぐちゃぐちゃになってもその分すっきりした部分だけすくい上げてそのままお兄ちゃんの横でぐっすり朝まで眠るのだ。それはあまりにきたなくて、みじめで、むなしくて、どうしようもなく幸せだった。 でも、それも、今週いっぱいだ。残暑は足あとを可憐の身にだけ刻んで消えていく。暑ささえなくなれば翌朝お兄ちゃんに示す口実も失われる。それに、……それに、お兄ちゃんも、いつまでもここにはいない。 今が、ずっとならいいのに。 あ、こぼれる。気づいたときには、涙が頬をすべり落ちている、もう。涙が。お兄ちゃんの頬で。落ちていた。音は立たない。震えて、だめ、だめなの。 体の中心から、ざわっ、と嫌な感覚が這うように全身に広がる。でも頬にしずくを震わせて、まるで自分が泣いたあとのようにも見えていてもお兄ちゃんはちっとも反応せず、涙も拭わなかった。安堵の息をつく。そう、可憐の涙は、拭われなかった。 ねえ、お兄ちゃん。 可憐はお兄ちゃんのことが、好きです。ほんとうに、ほんとうに好きなんです。どうしようもないくらい、あなたのことが好きです。 あなたは、可憐のことを、好き? ううん、きっとお兄ちゃんは好きだって言ってくれる。けれど、それはたぶん、可憐の言うのとは、違うんです。 お兄ちゃんがすぐそばにいると心がさわぐの。はずむの。嬉しさもあるし、幸せもあるんです。それとは別にね、心臓が飛び跳ねるの。でも、どきどきしてても、あったかいんです。 夏のねばつく空気が思考を鈍らせる。心をとらえて間違わせる。そうやって理由をつけて、自分の遣り場のない心に、従うふりをする。 今だけは目を覚まさないでという気持ちと。 この瞬間に目を開かれたなら何かが動き出すのにという切なさを半分ずつ。 可憐はお兄ちゃんに、キスをする。 たくさんたくさん口づけをして、何度もなんども口づけをして。耳をほおにこすりつけて、鼻を首すじになすって、抱きしめて。襟口や鎖骨にキスを続けながら、お兄ちゃんの手を取って可憐の胸に押し付けて、時折その指を口に含む。ふっ、ふぅっ、と荒くなる息というより声が漏れるのを抑えられない。新しく滲み出てきた汗をすり込みながら、またいだ太ももに身体をすり付ける。全身をお兄ちゃんに溺れさせながら、握りっぱなしのお兄ちゃんの右手をいちばん気持ちいいところに導き、触れて、ぐりっ、と最後のスイッチを入れる。 一度大きく身をふるわせてから、しばらくの間、小刻みに、びくっ、びくっ、と痙攣するように全身が引きつった。それから、まだまだどこに触れても感電したような感覚は消えないものの、そのままお兄ちゃんに覆いかぶさる。 重なった全身から、部屋に入る前よりよほど多い汗が噴き出しているのがわかる。けれど。 それでも今夜は、眠れそうだった。 # by sakuragi_takashi | 2009-12-25 20:00
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