どこの書評を見ても、
「この本は、ある程度ネットで活動している人間には既知のことである」 みたいなことが書かれていましたが、私はそれ以上に、 『今のウェブシーンを理解するのに、よくまとめられた一冊』 だと感じました。ついでに、私が『ある程度ネットで活動していない』ということも(w では、その内容を、自分なりの考えを交えつつ、要約してみます。 今まで、表現した何かを広く多くの人々に届けるという行為は、ほんのわずかな人に許された特権だった。 しかし、今なお続く継続的なチープ革命によって、以前と比べて安価で、インターネットという、誰しもが利用し、閲覧することが可能な世界(=総表現化社会)が開かれた。 分かりやすく言い換えれば、 「今まではシスプリのイラストを書いても、G`sマガジンに投稿し、編集部という権威に認められるだけの画力がなければ、描いた絵が大勢に見られることはなかった。でも、今はネットがあるから、ホームページやブログで公開して、たくさんの人に見てもらえるよ」 ということにでもなりましょうか。 ですが、そこには問題もあります。多数の新規参入によって、厖大な玉石混淆が起こるというのが既存のメディアの反論です。つまり、あまりにも「石」が多すぎて、「玉」を見つけ出すのが難しい。 ここで登場するのがGoogleであると、著者の梅田望夫は言います。グーグルによれば、彼らの仕事は『知の世界の秩序再編』であると。 どういうことかというと、顕著なのが検索エンジン。「個」の行為を集積して、「全体」の価値が創造されるシステム。 何かを「ググれ」ば、多数の人が最も閲覧し、評価したページが表示されます。 『情報の淘汰が自然に起こり、多くの人が重要だと思った内容は必ず伝播していく』 という一文には、「確かに」と思わせられました。 これは狭い範囲の話に留まらず、グーグルは自身を世界政府と位置づけ、世界中のあらゆる情報を組織化し、それをあまねく誰からでもアクセスできるようにすることを命題として活動するのだ、とも。 次に取り上げられていたのは、オープンソースの利点。 これについては、わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる様の、この記事の方法3が良い例を示していると思っています。 後は、「こちら側」と「あちら側」や、『一億人から一円ずつもらい一億円稼ぐ』という考え方が、ネットでは現実味を帯びるという話や、ロングテール、『高速道路と渋滞』についてのことなどが興味深かった。 逆に、「これはどうなのか」と感じたり、「これからの動向を見ていかななければならない」と思ったのは、『グーグルは神の手となり得るか』、『ネットは真の民主主義たりえるか』、『メディアの本質は受動性であり、グーグルの検索エンジンをもってしても「言葉の組み合わせ」すら入力されない状態では、何も返せない』、などなど。 最後に、著者の定義する、Web2.0について引用し、本記事のまとめに代えます。 ネット上の不特定多数【無限大】の人々(や企業)を、受動的なサービス享受者ではなく 私自身が、教育者であろうとするとき、教育者として、これらをどう考えるのか。どう接するのか。もう少し考えてみたいと思います。
by sakuragi_takashi
| 2007-04-15 18:46
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