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鏡よ鏡と魔法の鏡に姫が問う

白雪の新属性として、ちびっこであることを見直していく必要があると感じました。(挨拶)
中学生になったかと思えば雛子、亞里亞の次にちいさい140cmという身長であったり、ぼくはいったいどうしたら……!

さて、昨日の予告どおり(しれっと)、白雪のキャラコレの二編と三編を読み解くエントリィ。

「2.デートはびしょぬれ」というタイトルだけでご飯を三杯ほど平らげることができそうですが、せっかく白雪がきちんとおかずを含めお弁当を作ってきてくれるお話ですのでがっつかずにいきましょう。デザートは女体盛(安直

お話のおおまかな流れは、「お兄ちゃんの日、二人は公園へ。張り切った白雪が作ってきた五段重ねのお弁当を、ボートの上で食べようとするが……」というようなもの。

基本的にシスプリは妹にぬほっは(オノマトペ)していればよいのですが、それは毎回書くこともないのでさておき、ここでは「兄の適正な距離感」についてでも書いてみましょうか。
とはいえそれほど大仰なことではなく、「兄はめちゃめちゃ妹に甘く接してくれてるけれど、妹が『あーん』とかしようとすると、恥ずかしがって止める程度の反応はするんだよね」、ぐらいのことなんですが。

シスプリの兄は、妹の求めにすべて応えて望むがままの行動を取る、妹の理想像としての完璧なる兄……ではなく、それなりに常識のようなものがあったり――シスプリの世界観、つまり妹の目線の外にある「他者の目」を気にしたり――、弁当の匂いにひかれた大きな犬にじゃれつかれる白雪、その微笑ましさに"「あんなにあるんだから、ちょっとぐらい分けてあげてもイイのに」"と、軽く「いじわる」なことを言ったりするような、わりと普通寄りな描かれかたをします。
べたべたなのも大好きですが、こういう「普通の兄妹のやり取り」みたいなものにも、わたしはほっとするんですよねえ。

で、このお話の難解さは下で書いてみたい。


3.シュークリーム勝負!

p37の白雪やべえかわいいしぬ

このお話、普通なら最後には「おいしいのはフルーツであって、シュークリームじゃないよね」だとか、「でも、白雪ちゃんのシュークリームの方がおいしいなあ」みたいなオチがくると、なんかこうしてやったり感があるのですが、そういったものは、一切ない。

白雪の目から見る世界には、優しさと柔らかさがぐっと割り増されていますが、その中で描かれているのは、「兄にさえ喜んでもらえばいい」という、ある種「閉じた幸せ」なんですよね。すげえ、なんかシスプリの本質に迫ったきたかんじ!(そうでもない
あ、いうまでもないですが、それは最高のひとつです。社会とコミットすることだけが幸せと思うな!(白目)


だけれど、ここで私がわからなくなってしまったのが、二編と三編で背反する、白雪-料理-兄の関係。

「自分がつくったもので、兄に喜んでもらうこと」が再発見された三編でしたが、二編のオチは、「ボートがひっくり返って、お弁当が池に落ち、魚や鳥に食べられてしまった」にもかかわらず、
でもね、びしょびしょの服のまま、2人で岸に立ってそれを見ていたんだけど、姫、フシギとあんまりがっかりはしませんでした。そうしたらにいさまが……「もったいないことしちゃったな」って笑って……。なんだか姫と同じ気持ちでいるみたいでした。だから姫もすっかり嬉しくなって、まだびしょびしょの服のまま姫、にいさまに抱きついちゃった――だって、2人ともだからきっといいんですの♡――。
と、白雪は満足気なんですよね。

うーん、なんでだろう。白雪にとっても、やはり料理という要素は必須ではないのだろうか。大事なのは料理そのものではなく、それによって兄とつながること、兄と共感すること、兄とともにあること、兄に喜んでもらうこと、そういうこと、なんでしょうか。それらが、この二編で描かれたことだったんだろうか。あ、そう考えれば背反というわけでもないのか。
ぬう、難しい。続きも読もう。
# by sakuragi_takashi | 2009-12-14 16:55
そしてぼくらは白雪姫の夢をみる
問1. Ballon d'or 地方では、よく「明日更新します!」という文章が掲載された翌日に更新がなされない現象が起こります。その原因となるものを次の選択肢の中から選びなさい。

a.ブログを20分で更新するということは、「今日はブログのネタのために20分かけてキャラコレを読むぞー」「よーし20分たったWebラジオでも聞いてひるねー」でもいいんだよねという思考パタン

正解.a うん。なんかおかしいね。


さあそういうわけで白雪のキャラコレですが、白雪です。
白雪について思うに、最近のわたしからしてみると、一番ほしい妹かなー。たべもの! つくって! 今日の野菜も一日これ一本、明日の野菜も一日これ一本!

「食べることは、生きること」という文学的主題に強く惹かれるようになってひさしく(最近じゃないんじゃん)、白雪の持つ「にいさまに、姫の作ったものを食べて欲しい」という願いは荒々しくもたおやかに、わたしの心にまぎれ込んでくるのです。

【「にいさまの料理番」という特性は、可憐や春歌でも代替できるから、白雪の個性は弱い】みたいな話も目にしたことがありますが、これって何の意味もない批判ですよね。「イチローも140km/h投げられるからピッチャー大したことない!」なんてことはないと思います。

大事なのは、白雪は抱きしめた時にすごくいいにおいがしそうだ、ということです。

さて、文脈を無視した謎の性癖を強調したところで、内容のほうへと移っていきますが、まずは目次。

1.やさしく教えて!
2.デートはびしょぬれ
3.シュークリーム勝負!
4.ママになれるかな?
5.マダムの訓え
6.こんな格好でいいかしら
7.スノウホワイト

なにこの、なに。どういうことなの、これえろ本なの。言っておくけれどこれ、わたしが改変とかしてないですからね……!? イヤガオウにも期待が高まりすぎて水銀がてっぺんまで一瞬で上昇してきますが、落ち着くんだ。こんなの、まだまだ公野櫻子仏の指先にしかすぎない。手のひらで踊らされるのはもうちょっと先のことなんじゃ。

1.やさしく教えて!

白雪の特徴的な「姫」という一人称の由来から入る、自己紹介としてもすばらしい導入。

本記事冒頭ともつながりますが、「自分がつくったものを、大切なひとに食べてもらうこと」の喜びがつまびらかに描写され、そのさまを目の当たりにした我々に訴えかけてくるものは、シスプリの中のスパイスになっていると思います。
というのも、「妹から兄へのやさしいおこない」が、シスプリにおいては中心ではないから。

シスプリにおいては、「兄から妹へのやさしいおこない」が基本構造となっているように思います。日常のちょっとしたことに、つまづき、悩む妹たちを、兄が助けてあげる。

「兄を無条件に慕う妹と、それを邪険に扱う兄」というのは業界ではよくある矛盾ですが、まあそれを愛と呼ぶんだぜと言われればそんなもんですかとしか言いようがないので、やっぱり「兄から妹へのやさしいおこない」がないとおかしいよなあと思っています。

「ヒロインから受け取るばかりじゃなく、ヒロインを愛してあげたい! ベッドの上もいいけどそれ以外の場でも!」という、「こちらからヒロインへと働きかけたい」、そうした意味での「兄から妹へ」をすげー満たしてくれる役割を私の中でシスプリは担っているのではないかと。

そうしたシスプリの「兄から妹へ」の中で、にいさまの料理番という「妹から兄へ」の特性を強く、それも小さい頃から「まだまだ甘いものが好きな兄にお菓子を作ってあげる」等持っている白雪は、シスプリ世界観の中である種清涼剤のような「にいさま、内容の話に移ってないと思うんですの」

はっ……。え、ええと、p10、
いっつもにいさまが元気ピンピンでいられますようにって……♡ 血をさらさらにする酸っぱいお料理とか、精力を付けるための……うふふっ、姫だって、にいさまのこと、ちゃあんと考えているんですのからっ♡
(強調引用者)
水銀パーン!! ヘッドバンギング on 公野(君の)手のひら!! 手のひらDE!! dance'in踊ラサレルっッホォウ!
べびぷりの小説版を読んで確信にいたったけれど、公野てんてー普通にえろいよね。誤用のほうの確信犯で。

次。これがちょっと問題なのですが。
姫はだいたい数学が苦手なんですのから
姫の机の上に広げられている数学のノートには、
えええええ、白雪、中学生なの????????????????
うう……原作を今、きちんと読み返すと……花穂の真実に気づいてしまったり……もう嫌だお……

私の人生設計における舵の切り直し(小学4年と仮定していた白雪の年齢移行措置における対応の模索中央審議会の発足等)はさておき、最後は、「兄の部屋に夜食を持っていく」という場の設定がまた、にくい。ともあれ、白雪が精力の付く夜食を深夜ひとり暮らしの兄の部屋に持ち込み「妹から兄へ」、そのお返しに「兄から妹へ」「愛のレッスン(原文ママ)」をおこなうところで、一章『やさしく教えて!』は結びをむかえるのでした(「うまく記事をまとめたぞ」とどや顔をしながら)。

おそろしいことにここまでだらだら書き散らしてまだ一章目ですか。続きはまた明日。うわあ、書き出しがあれでよくまた明日とか言えるな!
# by sakuragi_takashi | 2009-12-07 19:27
ほんとに二日続くとは(
◇ブログ以上に久しぶりに目にしたアクセス解析が、ここ最近続いていたらしい一桁からいきなり跳ね上がっててありがたいやらありがたいやら。でも「こんなブログを見てくださって」とかは言わない。「それはブログを見にきてくれている方に対して失礼だから」とかだとなんか普通なので、「俺のブログは信じない。お前を信じる。お前が信じる俺のブログを信じる!」とかどうですかね(パクリ)。
というかアクセスが伸びてるのは、多分タイトルに時事まっただ中のGoogleIMEが入ってるからですよね。ハハハ。でもこういうツールの使用感をブログで探す、その一手間かけるのはなんなんだろうなあ。

と、ウィットに富んだ書き出しですでに5分。残り15分。結局毎日20分で書くつもりなのかわたし。いやでもとりあえずブログを書こう、というノリが大事だし。というか存外ひまなのです。卒論進めろという教授の声が聞こえてきますが、そんな幻聴には惑わされない。
で、昨日予告があったので(おお、「昨日」で「2009/12/03」みたいなのが三つくらいにょろっと変換候補に出てくる。GoogleIMEすごい(検索してきたひと向け))、一応返答しなくちゃですねぶっちゃけ一日たつ間に返しを考えるのが普通にめんどくなっちゃいましたが。せいじつ!
今更というか さん
貴方は今もシスプリの復活を期待してますか?
本来であればこういうのはわたりんあたりがささっと出てきてコメント欄の間に終わらせておいてほしいのですが、ふふん、たまには親分である私が出てくるのも悪くないでしょう。こういうこという親玉ってたいていさらに上の存在に尻尾切りされますよね。

ええと、たぶんこの方が答えてほしいことを狙っていうと、「いやあほらぼく桜木は、もうそういうのいいかなって。ロロナかわいいし。でかい顔してすみませんでした」みたいなことを書いておけば満足いただけるのではないでしょうか。うわ、嫌な奴だなわたし!

ではちょっと自己満足な、ひょっとしてなくても求められていないマジレス風味にお応えしてみましょうか。
最近専門のほうで、「漠然と抽象的なことをいうと、楽ちんだしなんかそれっぽいところにおさまるけれど、何の意味もない」ということを痛感する機会があったので、きちんと問題を切り分けてお話ししたいと思います。

まずは「シスプリの復活」とはなにか、という定義をしなければならないと思います。できればこのことを議題としてふっかけていただければ、期待に添える答えを述べられると思うのですが、ここでは「シスプリの復活」の定義を私なりに、ふたつに分けて考えてみましょう。

・「シスプリの復活」を「公式からの新規シスプリの発信」と考える場合

これはまあ、無理でしょう。べびぷりがあるし。とはいえカードゲームに参戦したり痛車が発売されたりONAさんが狂喜したり咲耶のモノにされたりしまくっているので、ぶっちゃけ10執念周年で祝うぜひゃっはーというのに、公式からの発信としてはやりすぎなくらいじゃね? とか私はほっこりしとるのですが。このブログを始めてからもラジオの復活やらシスプリステージやら、いろいろありましたしねえ。

これもだいじな指摘>
ふぁぼったー / nekocafe : 今シスプリみたいなのが来ても楽しめないだろうなぁ~と思う程度には、調理された物をそのまま食べるだけの生活に慣れてしまった。
ちょっと話は変わりますが、作品の消費されていくスピードが異様に早まっている「なう」、やっぱりシスプリは時代もあったのかもなあ、とか最近思います。でも、「残る」性質を強く持っていれば、そう簡単には消えていかない作品だってあるんですよね。アニメはどれも1クールの恋のように語られる一方で、東方とかアイマスとかミクとか、長く愛されるものだってあるじゃん、みたいな話。このタイミングでリンク貼っとこう。>俺妹のポストまとめ:9月15日『俺の嫁』問題 - くじらのなく頃に

・「シスプリの復活」を「ファンが全盛期のあのころくらいまで盛り上がること」と考える場合

オンリーイベント行けばか! めちゃめちゃ楽しかったよ! それにしてもプチパルex2は楽しかった。最高だった。あ、塾長さん、ポスターほんとうにありがとうございました(半年たってるぞ!)。「このポスター、じゃんけんで入手したけど、私持ってるんで。桜木さん、いります?」とか言われて濡れた。これが世代格差か……とかダウンを奪われました。あれから部屋に飾りっぱなしですし、これからどこ行くにせよ持っていきます。いろいろ使わせていただいてます。いろいろ。色色。

わたしはブログを始めたことで兄上様やにいやとめちゃめちゃシスプリを楽しむことができているし、ついったーを始めることで、あ、可憐が始めるのを横から見ることで(しつこい)、いわゆる「シスプリサイト管理人」の方々ともシスプリの話をしょっちゅうさせていただくようになったし。
「シスプリサイト管理人」の人たち、みんなすごいよ。(ここでしつこくもう一度リンク>俺妹のポストまとめ:9月15日『俺の嫁』問題 - くじらのなく頃に)どうすごいかというのはね、てんのしすぷりたいむらいんほかんじょというブログを購読するとわかるようになるよ。わあ、なんだか悪徳業者のだましセールスみたいだね、ママ!

というわけで、いちばん大事なのは、「あなたが『シスプリ、再流行んねえな……』と思えばいつまでたってもシスプリは復活しないし、あなたが楽しもうとすれば、シスプリはいつでも復活しますよ」ということなのでした。だから質問への答えは、「はい。期待というか、復活してます。シスプリ最高」ですね。最後までえらそう!


◇明日は白雪のキャラコレかー。なんで白雪と亞里亞のキャラコレかっていうと、実はぼく、白雪と亞里亞のキャラコレ、つい最近まで持ってなかったからなんだよね。(さらっと衝撃の告白)
# by sakuragi_takashi | 2009-12-04 18:23
GoogleIMEめちゃめちゃ便利
◇こないだ気分転換に20分文章書き耐久テストみたいな記事を見かけて、ああそれくらいなら万年放置ブログにもできそー、というかそういう発想で日常的にやっていくのはブログ的に楽しそうだな、とか思っていたので、そして今ちょうどご飯が炊けるまで20分ほど間が空きそうなので、ちょちょいとなんか書いてみよう。

すっかり「ネットでなんかする」の中心がついったの方に移っているようにも思えたものの、よくよく考えてみるとそうでもない。ついったは楽しいし、頻度も(こっちに比べれば)そりゃ高くはあるけれど、「私」の中心がついったかというと、そうでもない。

結局は楽しいところへと流れていく。ブログをよく更新していたのはその時ブログが楽しかったからだし、ついったでよくつぶやいていたのはついったがその時楽しいから。あ、いや、私は可憐がかちゃこんキーボードを叩いたりiPhoneからpostするのを見たりしているだけなんですけれどね。それが楽しいんですね。
で、最近はPS3が楽しいのです。たぶん楽しさの多くはネット対戦が占めていると思う。デモンズソウルをひと通りやり込んだあと、このごろは実家の方のサッカー系男子(なんだそれ)の友人と深夜にちょいと何試合かやってみたり、思い出したようにMGOにオンしてみたり。
ローカルの方もなかなかよくて、ロロナが今改めて熱い。ヴェスペリアもかなり再燃しているけれど、こちらは激動の一周目を終えてしばらく経ち、欲しかったファミ通版の攻略本が17日に出るのでそちらを待ってからじっくり二週目をやり込んだりたいと思ってます。今日出たアサシンクリードの2も面白そうなんだよなあ。1は未プレイだけれど、まあそれはそれ。FF13もよろっと出るしね。

とまあこんな具合に、ネットにこだわらず、楽しいことを楽しもうという普通のおはなし。
で、じゃあなんでまたブログなのかというと、またブログ書きたい熱が、そこっこの人たちのブログ論みたいなものを見ていて高まってきたから(笑。おっともう炊飯器が呼んどる。指のおもむくままに書いたとしても、思ったより書けないものですねえ。

ええっと、まあこうして何かしら書こうとしても、引き出しの少ない人間であるとかそういったことからは目をそらして、さしてあれこれあるわけでもなし、というかここシスプリブログなんで(笑、明日明後日で白雪と亞里亞のキャラコレでも読みましょうか。なんか順序が逆のような気もする! あ、それと予告のもの書きですね。可憐のえろいやつをまったり書いてます。それも今年中に。今年中の話なら、はてなの方のや、efの方もちゃんとやらなきゃですねブログやるなら。
と、その前に、放置している間になにやらうずうずするようなコメントをいただいていますね。
今更というか さん
貴方は今もシスプリの復活を期待してますか?
それじゃあ明日の話題はこれにしましょうか。それでは晩ごはん。ここひと月くらいは、ちょっと前のアニメを見ながら夕食、という習慣。少し前までは『攻殻機動隊 S.A.C』見て、今は『カウボーイビバップ』を見てます。

うーん、こんなもんだろうか。でもまあ、こんなもんでしょう。
# by sakuragi_takashi | 2009-12-03 18:39
早起きした休日ほどよいものはない
シスプリにあってべびぷりにないものにいただいた、あんよさんの反応がすばらしすぎて、やっぱり口に出してみるものだなあ、と思う。申し訳なさと、申し訳なさの10倍くらいの嬉しさやらありがたさやら。

特に、四葉の七五三のエピソードを「私たちが知らない過去のエピソード」のオンパレードとして想定しながらも、「四葉も参入させていく過程を描きながら、四葉に共感する読者をも同じく参入」していたのだ、とする視点はなかった!

べびぷりに関しては、確かに「直近の」過去である、と言われればそういうものなのだなあ、と。
一時「べびぷりにはTwitterが一層合うのでは」とも思っていたことがありましたが、結局はその点で変わりはない。重要なのは、読者が主体となることなのかな、などと思った(ここが一番言いたいことになってきたと思う。具体的には「主体となる読者」には、公式のコメント欄が反映される機会(投票とか、引用されたりとか)が大事になってくるのかも)。
疎外感の長男と読者が共有する度合いがシスプリよりも高い、というのもたいへん納得。

ある程度私の意見を認めていただきながらも、違う部分や批判すべき点を上げられ、私の書けるところから、さらに深い部分に踏み込んで書かれる話、というのはものすごく楽しい。


◇べびぷりの電撃小説を既刊2冊とも読んだので、なんとなく読書日記ではなくこちらに書いておこう。

単純に抱いた所感としては、「電撃文庫」として出版するに当たって、正しい変更をしたのだな、と。

「12人の妹」「19人の家族」を肯定的に、自ら参入してくる読者を対象に想定する「企画」であるうちは何をやっていてもいい。
けれど、そうではない「普通のライトノベル読み」を取り込む文庫化にあたっては、
「あなたの本当の家族はここにいたのです!」
よりは、
「たった一人の家族だった祖母が亡くなり、気の毒に思ったヒロインが連れて行ってくれた家が19人家族で、そこに住むことになった」
の方が自然ですし、導入部は簡潔に「そういうものである」とした本家企画よりも丁寧だな、と感じた。一巻p93のような、「トゥルー以前の家族に思いを馳せる」描写というものも大事だろうし。ただ、その観点で行くと……、いや、p217あたりの麗には純粋に心を動かされましたが(笑。

ほんで物語的には、一本道にならざるをえない小説という枠の中で、一冊一ヒロイン(は、ちょっと違うかも?)の構図が持ってこられたのも読みやすかった。
「見守るもの」として長姉二人を置き、「王子さまの童貞をコシタンタンと狙うもの」が一人入る。余談ですが、春風さんは可憐に読み替えてたいへん興奮させていただきながら読み進めております。積極果敢になってあちこちふくらんだ可憐。妹としてのちょっとおどおどポジションから姉としての「弟に触れる」権利を得た可憐。このへんは@samalin兄やの妹→姉論の楽しみ方。それを言うなら霙姉さんを現実世界に放り出された千影としても読んでますが。

で、なんだっけ。ああそうそう、ヒカルと氷柱をヒロイン性の高い子として抜擢したのは正しさがあるけれど、その分「見守るもの」としての長姉や、「世話を焼かれるもの」としての下の子らというものは、ヒロインとして描かれない不満が残るかなあ、などと思う。家族不平等。とはいえこのあたりは、星花のように焦点を当てられることで解消されるのでしょうか。しかし、最後のコヤマ君はかわいそすぎる。

書きながら疑問がわいてきたのですが、「家族全体としての物語を見る」ことと、「マイシスター一人を貫く」ことと、どちらを重要視するのか? という立場もあるのでしょうか。
どちらも大事だ、というのも確かですが、これはいわば「シスプリになくてべびぷりにあるもの」。私は「家族全体としての物語を見る」ことが、テーマ的には重要だと思っているので、ちょっと引っかかりもあるのですが……。うーん。二巻p206みたいな家族のいる空気感というか、安心感みたいなの、よくないですか。いやまあ、霙姉さんが不穏なこと言ってたりもしますが。2教科?

今後の展望(というか希望というか安っぽい予想というか)としては、

小説版:『本当の兄』ではないという瑕疵をそのまま裏っ返しに転じて、『本当の兄』ではないことを家族に知られたものの、その事実を知った上で「家族」として新しい絆を築いていく

本家 :自分が『本当の姉』ではないことがわかったヒカルが

とかの分岐が起こると全体としての企画が盛り上がるんじゃないかなあと。我ながらひどすぎるw

なにやらべびべびしてますが、こそこそとシスプリのようなものをローカルに書き進めてます。近々うp。
# by sakuragi_takashi | 2009-10-31 12:15